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公開日:2022.03.7  最終更新日:2022.03.7

【飲食店】冬場のエアコン温度|客席・厨房を快適にする方法も

レストランやカフェなどの飲食店では、室内温度の管理も大切です。温度管理が不適切であった場合、来店したお客様が快適に過ごすことができず、客足が遠のく原因となりかねません。

特に冬場は、飲食店の種類によってはエアコンの温度を細かく設定すると、顧客満足度が上がりやすくなります。しかし、お客様にとっては過ごしやすい温度でも、従業員は過ごしにくく、快適に働けないといった問題が起こることも少なくありません。

そこで今回は、冬場の飲食店に適切なエアコンの温度や、エアコン以外で店内の温度を快適に保つ方法を解説します。飲食店の運営者やスタッフの方は、ぜひ参考にしてください。

1.飲食店では冬のエアコン温度の管理が大切

飲食店では、エアコン温度の管理が大切です。気温と食欲は密接に関係しています。暑い日には冷たい飲み物・食べ物が売れ、寒い日には温かい食べ物の売り上げが伸びる傾向があります。アイスクリームや肉まんといった季節物の商品は、天候や気温を見て販売を決めるというお店も多いでしょう。

冬でも、エアコン暖房などで店内が暖かければ、お客様に「冷たいものが飲みたい」と思わせることが可能です。反対に、店内の温度をやや低めに設定することで温かい飲み物・食べ物の売り上げを伸ばすことができます。

そのため、飲食店は販売している飲み物・食べ物、お客様の平均滞在時間、外気温に合わせてこまめにエアコン設定温度を管理することが重要です。温度センサー任せにせず、体感温度でも温度管理をしてしてください。

従業員にとっての適正温度が、お客様にとって快適な温度であるとは限りません。厨房で火を使っている場合、厨房ではベストな温度でも客席では寒く感じることもあります。

厨房と客席の温度差が小さくても、動き回っている従業員とじっと座っているお客様とでは体感温度が異なるため、従業員の体感温度を信用しすぎず、お客様の様子を確認しながら温度調整をすることが大切です。

2.飲食店によって異なる冬のエアコン温度

人が快適に過ごせる冬の室温は、18度~22度といわれています。一方、環境省では2005年より、地球温暖化対策の一環として暖房時の室温の目安を20度とする「ウォームビズ」を提唱しています。

出典:環境省「令和3年度ウォームビズについて」

この運動は、一般社団法人日本百貨店協会、日本チェーンストア協会、一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会などと連携しています。そのため、エアコンを暖房運転する際は、室温目安を20度にしてください」と本部や経営者から通達されている飲食店もあるでしょう。

しかし、快適な室温は外気温をはじめとする複数の要素で決まるため、推奨温度の20度では適温にならないこともあります。

以下では、飲食店の種類別に快適な室温の目安を紹介します。

2-1.レストラン

レストランは、提供する料理やフロアの造りによって快適な温度が異なります。厨房が客席に接している場合や、鉄板焼きなどお客様の目の前で料理を作るお店の場合、室温が上がりがちです。そのため、やや低めに設定したほうがお客様も従業員も過ごしやすくなります。厨房が独立しており、いくつもガスコンロを使っているレストランの場合は厨房と客席では別のエアコンを取り付け、それぞれ温度管理をするのがおすすめです。

建物の構造や状態、広さによっても適切な温度は変わります。断熱性の高い建物であれば温度設定が低くても快適に過ごせますが、古民家を改造したレストランなど外気が入りやすい建物の場合はエアコン温度を高めに設定しましょう。

2-2.居酒屋

居酒屋は、ビールやチューハイなど冷たい飲み物が主力商品なため、やや高めにエアコン温度を設定することがおすすめです。室温が高ければ寒い日でも冷たいビールが飲みたくなる傾向があります。

ただし、冬の居酒屋は鍋物など卓上で調理する料理も増えます。また、狭い店では満席になるとお客様の体温で室温も上がるため、設定温度を上げすぎないように注意してください。自動運転にせず部屋の様子を確認しながら手動で温度を変えましょう。

2-3.カフェ

カフェは、女性の利用客が多く滞在時間が長めです。女性は男性より冷えを感じやすいため、長時間快適に過ごしてもらうためには、適温の上限である21度~22度に設定するとよいでしょう。冷たい飲み物やスウィーツが売れ筋である場合は、適温よりも1~2度上に設定してください。

オープンテラスがあり外気が店内に入ってきやすい場合も、室外温度が低い日は暖房の設定温度を高めにして快適空間づくりをこころがけましょう。

3.冬場のエアコン以外で温度を快適に調整する方法

お客様の年齢や性別、体調によって快適な室温は異なり、また座る位置によって体感温度に差が出ることもあります。すべてのお客様にとって快適な室温にすることは不可能です。

暖かい空気は上に、冷たい空気は下に溜まりやすいため、建物の状態やエアコンの設置位置によっては「上半身は適温だけど足元が寒い」といった状態になります。エアコンの設定位置に問題がある場合、エアコンの設定温度を調整しても解決にはなりません。

ここでは、エアコンを使う以外の方法で、室温を快適にしてお客様に心地よく過ごしてもらう方法を解説します。

●隙間がないか確認する

冷たい外気が外から入ってくると、エアコンの温度を高めに設定しても室温が上がりません。ドアや窓周りに隙間がないか確認しましょう。建物の経年劣化により、窓やドアのコーキングが劣化して隙間風が吹き込むようになったケースもあります。

また、断熱材が入っていない古い建物の場合、僅かな隙間でも外気が入り寒さをより強く感じやすくなります。新しい建物でも、工事の不備などで隙間風が吹き込んでくることがあるでしょう。エアコンの設定温度を上げても体感で寒さを感じる場合は、徹底して隙間の有無を確認し、必要であれば修理をしましょう。節電効果も期待できます。

●断熱シートを張る

窓の付近はどうしても温度が下がります。大きな窓があるカフェなどは、窓に近い席と遠い席では体感温度が違うケースは少なくありません。窓から入る冷気を防ぐためには、断熱シート(断熱フィルム)が有効です。透明なシートやフィルムであれば、景観を損ねることもありません。夜間のみ断熱カーテンを使用する方法もあります。

●ブランケットを用意する

足元の冷えには、保温効果の高いブランケットをかけることがおすすめです。マイクロファイバー製のブランケットは軽いうえに防寒効果が高く、さらに洗濯も簡単なため、飲食店でも使いやすいでしょう。

●飲み物やおしぼりを温かくする

体が冷えやすい人は、内部から体を温めたほうが効果的です。可能であれば、お客様の求めに応じて温かいお茶を出せるようにしておいてください。また、温めたおしぼりには末端の冷えが和らぐ効果が期待できます。特に寒い日は喜ばれるでしょう。

4.コックコート・制服で冬場の厨房・客席の温度差を乗り越える

厨房で火をたくさん使う場合や、客席が広く従業員がキビキビと歩き回っている場合、お客様に快適な室温に設定しても、従業員にとっては暑さを感じる可能性があります。厨房に別途エアコンを付けても、快適な室温にすることが難しいケースもあるでしょう。お客様と従業員の体感温度の差は、衣類で調整する必要があります。

従業員が快適に働ける方法として、コックコートや制服などの生地を工夫することが挙げられます。コックコート・制服におすすめの生地は、綿とポリエステルの混合生地です。

綿は耐熱性・耐久性・耐水性に優れており、体温調整がしやすい傾向があります。一方、ポリエステルは軽くて速乾性がある繊維です。2つの繊維を混合したコックコートや制服は、汗をかいても体が冷えにくく蒸れにくいという特徴があります。綿100%よりもポリエステルと綿が混合しているほうが軽いため、厚手の生地でも動きやすいでしょう。

コックコートは、白色で大きなボタンが付いたデザインが基本です。しかし、現在はさまざまなカラーバリエーションがあり、厨房での作業用だけでなくウェイターやウェイトレスの制服としても使えます。従業員の意見も聞き、動きやすく蒸れにくいコックコートや制服を導入しましょう。

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まとめ

飲食店は美味しい料理や飲み物だけでなく、お客様が心地よく過ごせる空間を提供することも大切です。冬や夏など外で過ごしにくい季節は、快適な室内を作ることで売り上げを伸ばせるでしょう。

近年、さまざまな場所で環境に配慮することが求められていますが、環境省が提案するウォームビズは、あくまでも目安です。エアコンの設定温度はもちろんのこと、ブランケットやおしぼりなどでお客様が快適に過ごせるように工夫してください。

また、従業員は服装で体感温度を調節しましょう。「動きやすい」「丈夫」「速乾性がある」といった特徴を持つコックコート・制服で働くことができれば、従業員のモチベーションも上がるでしょう。

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