アイテムの知識

公開日:2022.02.22  最終更新日:2023.09.12

食品工場の寒さ対策|防寒仕様の作業着から人気アイテムまで

食品工場では、衛生面から厳しい温度管理が行われているため暖房がつけられず、従業員にとって働きにくい作業環境となっている状況も少なくありません。寒さを我慢しながらの勤務では作業効率やモチベーションが低下し、生産性や安全性に影響が出る恐れがあるため、社員の寒さ対策を講じることが大切です。

当記事では、食品工場における寒さ対策について解説します。防寒仕様の作業服を考える際のポイントや注意点、おすすめの防寒アイテムなども併せて確認し、従業員にとって働きやすい環境を整えましょう。

1.食品工場における寒さ対策のポイントは服装

従業員の労働環境を整えるにあたり、職場内を快適に働ける温度に保つことは重要なポイントです。デスクワーク中心の職場では、外気温や従業員の体調に合わせて空調を調節できます。しかし、食品工場では商品として食品を扱っているため、衛生管理の面から従業員にとって快適な温度を保つことが難しい場合があります。

■食品工場で快適な温度に設定できない主な理由

冷凍食品工場や冷凍倉庫の場合 製造の過程で食品を冷凍する工程がある
生鮮食品を扱う工場の場合 温度が高くなると鮮度が下がったり、細菌が繁殖したりする恐れがある

食品を扱う工場の場合、上記のような理由から、空調管理などで現場全体の温度を変更することは困難です。しかし、従業員が低温環境下で「寒い」と感じながら働いていると、業務効率の悪化やモチベーションの低下を招く可能性があります。

従業員が働きやすい労働環境を実現し、業務効率や生産性をアップさせるためには、「服装」や「身につけるもの」によって従業員の防寒対策を講じることが重要です。効果的に寒さ対策ができる服装や防寒グッズを管理者として確認しておきましょう。

2.食品工場の寒さ対策に効果的な「防寒仕様の作業着」

食品工場の製造現場で着用する制服や作業着には、防寒仕様もあります。工場の温度設定を変更できない場合は、防寒仕様の制服や作業着の着用を検討してみましょう。

■防寒仕様の作業着の特徴

●保温性能が高い

「赤外線蓄熱素材」や「裏アルミ加工」を採用している作業着は、着用するだけで暖かさを感じることができます。

●防風性能が高い

風が強いと体感温度は下がります。「生地を作る繊維が複雑な構造を作る」「繊維同士の隙間が小さい」といった防風性能が高い生地を選びましょう。

●防水性能が高い

服が水で濡れると体が冷えやすくなるため、水を通さない機能を持つ素材を選ぶことが大切です。

また、制服や作業着で防寒対策を講じる際には、防寒性能が高い素材が使用されているかチェックすることも重要です。

■防寒性能が高い作業着に使用される主な素材と特徴

素材 ポリエステル
メリット
  • ・耐久性がありシワになりにくい
  • ・耐熱性が比較的高い
  • ・色落ちに強い
デメリット
  • ・湿度に弱く、静電気が発生しやすい
  • ・ピリング(毛玉)ができやすい
素材 コットン
メリット
  • ・耐熱性が高い
  • ・吸水性が高い
  • ・静電気が起こりにくい
デメリット
  • ・速乾性が低い
  • ・洗濯時に縮みやすい
素材 ナイロン
メリット
  • ・撥水性・速乾性が高い
  • ・摩擦や汚れに強い
デメリット
  • ・湿度に弱く、静電気が発生しやすい
  • ・耐熱性が低い

防寒に役立つ機能や防寒性能の高い素材に注目し、従業員が快適に着用できる制服・作業着を選びましょう。

■防寒性能が高いオススメの作業着

こちらでは、飲食店ユニフォームの通販サイト「ユニコレ」で取り扱っている商品を例に挙げ、具体的にオススメの作業着をご紹介します。

ブルゾン長袖[男女兼用][住商モンブラン製品] CP8721

ブルゾン長袖[男女兼用][住商モンブラン製品] CP8721
保湿効果が高く、撥水・制電機能も備えたポリエステル製の作業着です。低温作業に適した機能が充実している他、食の現場で重要視されている食品衛生管理システム「HACCP(ハサップ)」にも対応しています。

パンツ(総ゴム+ヒモ付)[男女兼用][住商モンブラン製品] CP7721

パンツ(総ゴム+ヒモ付)[男女兼用][住商モンブラン製品] CP7721
上のブルゾンと同じ素材を使った低温作業向けのパンツです。こちらも「HACCP(ハサップ)」に対応している他、立体設計で動きやすく、かつ履き心地が楽なウエスト総ゴム仕様です。

工場用白衣の一覧はこちら

3.食品工場の寒さ対策にはインナーが重要

食品工場で働く作業員の寒さ対策を考える際には、制服や作業着・アウターだけでなく、上半身・下半身のインナーウェアについて検討することも大切です。シャツやタイツなど、従業員それぞれの体温や体感、体調に応じてインナーを調整することで、「自分にとっての適温」に近づけるでしょう。また、防寒性の高いインナーを着用することで、可動性の低下の原因となる「重ね着」や「着ぶくれ」も予防できます。

■防寒性の高いインナーの例

●ヒートインナー

「吸湿発熱繊維」などの発熱素材を使用したインナーです。吸湿発熱繊維とは、汗などの水分を吸収することによって発熱する素材を指します。着るだけで保温効果がアップし、薄手で着ぶくれすることはありません。

ただし、高い吸湿性により肌が必要とする水分も吸収する場合があるため、乾燥肌や敏感肌の人は注意が必要です。綿素材のインナーを着用した上でヒートインナーを重ねて着るなど、肌ダメージを防ぎましょう。

●裏起毛

内側が特殊な加工によって起毛されている衣服を「裏起毛」と言います。起毛部分の繊維がより多くの空気を含むため、起毛加工なしよりも保温効果が高まります。

裏起毛のインナーを着用すると、体が毛布に優しく包まれているような心地よい感触を楽しむことが可能です。一方で、「蒸れやすく不快感を覚える場合がある」「厚手のものが多く血流が気になる」などのデメリットもあります。

●ウール混

「ウール混」とは、保温性の高いウールが混ざっている素材であり、軽量で着心地がよく速乾性も高いという魅力があります。水で洗うと型崩れしやすいため、他の素材と比べてメンテナンスが難しいことに注意しましょう。

インナーは従業員が個人で購入するのが一般的ですが、希望に応じて工場側が支給する方法もおすすめです。
「ユニコレ」でも機能性に優れたインナーを取り扱っておりますので、気になる方はぜひこちらも併せてご覧ください。

インナー
>>飲食店ユニフォーム販売サイト「ユニコレ」でインナーをチェック

4.食品工場の寒さ対策に効果的な防寒アイテム4選

食品工場での寒さ対策では、防寒仕様の服装やインナーに防寒アイテムを組み合わせることも有効です。ここでは、食品工場の寒さ対策に効果的な防寒アイテムを4つ紹介します。作業空間内の温度や制服・作業着の防寒性能を考慮して、従業員が利用しやすいアイテムを積極的に導入しましょう。

4-1.カイロ

カイロは寒さ対策の基本となるアイテムです。快適な温度を長時間キープできるため、仕事中に新しいものへ取り替えるなどの手間が発生しない点は、カイロの大きなメリットと言えます。

以前は貼らないタイプが主流でしたが、最近では服の裏側(インナーの表側)に貼るタイプや、足用など靴下に貼るタイプもあります。冷えを感じやすい部位に貼れるため、体を効果的に温められるでしょう。

カイロは使い捨てが一般的ですが、最近では充電式のカイロの種類も増えてきました。大きさが気にならないのであれば、ランニングコストが良好、かつ簡単な操作ですぐに温まる充電式カイロもおすすめです。

4-2.手袋

「製品を梱包した段ボール箱を倉庫に搬入する」「機器や工場内を清掃する」など、直接食品に触れない場合は防寒性の高い手袋を活用することも1つの手段です。水を扱う場合は防水加工されているもの、細かい作業の場合は保温性が高い薄手のものを選びましょう。出荷作業や倉庫作業では、ゴム製やポリウレタン製など滑りにくい素材がおすすめです。
>>飲食店ユニフォーム販売サイト「ユニコレ」で取り扱っている手袋はこちら

いずれの場合においても、「食品工場内で身につけること」を考慮しなければなりません。洗濯可など、衛生的に使用できる作業用手袋を選びましょう。

4-3.ネックウォーマー

冷たい空気が首元から入ると、体感温度は急激に低下します。食品工場内では首元に冷たい隙間風が入りやすいものの、機械に巻き込まれるなどの事故が発生する危険性があるため、マフラーは基本的に使用できません。

その点、ネックウォーマーは、頭からすっぽりかぶったり、面ファスナーやボタンなどで留めたりすることで首元の寒さ対策ができるアイテムです。保温性や防風性が高く、洗濯しやすいものを選びましょう。

4-4.靴

製造ラインでの検品作業など、立ち仕事が多い仕事内容で足元・足先の冷えが気になる場合は、防寒機能のある靴を選ぶことも大切です。裏起毛や発熱素材が使われているタイプ、足首まで覆うタイプなど、防寒性が高く温もりを感じやすい靴を選びましょう。

また、同じ靴を長時間履いて作業する場合、足の蒸れについても検討する必要があります。湿気が外に逃げにくい製品は、長時間使用によって細菌が繁殖するケースがあるため注意しましょう。また、動きやすさを考え、軽量性のある靴を選ぶこともポイントの1つです。

まとめ

食品工場では、衛生管理や安全管理上、工場内を従業員が働く上で快適な温度に設定することが困難です。しかし、従業員が寒いと感じながら仕事をしていると、業務効率や生産性が低下する恐れがあります。「防寒仕様の作業着に変更する」「防寒性の高いインナーを推奨する」などの寒さ対策を行いましょう。

食品工場で働く従業員に寒さ対策を講じる場合には、服装やインナーだけでなく、防寒アイテムを効果的に利用することも大切です。カイロや手袋、ネックウォーマー、靴など、各自で温度調節できる防寒アイテムをうまく活用し、従業員が快適に仕事に取り組める環境を整えましょう。

なお、食品工場での温度管理に関しては、以下の記事で「暑さ対策」についてもご紹介しています。

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