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公開日:2022.08.16  最終更新日:2022.08.16

飲食店の接客で大切な言葉遣いマナー|間違いの例や電話対応の基本も

飲食店で接客する時の言葉遣いは、普段の話し言葉とは異なります。そのため、お客様に失礼のないように意識していても、自分の言葉遣いが本当に正しいのか不安に思う人もいるでしょう。

当記事では飲食店の接客対応で覚えておきたい基本的な言葉遣いや、接客時の敬語の種類を解説します。また、電話対応時のポイントやついつい使ってしまう間違った言葉遣いも併せて紹介します。

お客様に失礼のない接客を実践したいと思っている経営者の方・店長さんや、飲食店で働き始めたばかりの方は、ぜひ当記事を参考にしてください。

1.飲食店の接客で覚えておきたい基本の言葉遣い8例

飲食店で接客をする時には、シチュエーションによっていくつか定番の言葉遣いがあります。ここでは、接客時に頻繁に用いる代表的な接客用語を8つ解説します。

●いらっしゃいませ

お客様を歓迎する言葉です。店の接客の第一印象を左右するため、お客様が来店したら、笑顔ですっと言えるようにしておきましょう。語尾を伸ばすことなく丁寧に言うのがポイントです。

●かしこまりました

お客様のオーダーや要求に対し、承諾する時に使う言葉です。「分かりました」や「了解しました」ではなく、自らがへりくだって相手を立てる「謙譲語」を使いましょう。

●ご注文はお決まりでしょうか?

お客様のオーダーを伺う時に使います。言い方が丁寧でないと、お客様は早く決めろと急かされているような気持ちになってしまうため、印象良く言えるようにしておきましょう。

●申し訳ございません

お客様に迷惑をかけてしまった時に使う言葉です。「すみません」ではお客様を敬う気持ちが足りないと思われてしまう恐れがあるため、「申し訳ございません」を使うようにしましょう。

●少々お待ちください

お客様をお待たせしてしまう時に使います。「ちょっとお待ちください」では砕けた言い方になるため、「少々お待ちください」と言えるようにしましょう。

●お待たせいたしました

お客様に呼ばれていたものの、すぐにお伺いできなかった時や、料理の提供が遅くなってしまった時に使います。自分では待たせたつもりがなくても、お客様は少しの時間でも随分待ったような感覚になりやすいです。そのため少しの時間でも、お客様を待たせてしまったら「お待たせいたしました」とお声掛けするように心がけましょう。

●恐れ入ります

お客様への感謝や、自分が恐縮していることを伝える言葉です。「ありがとうございます」の代わりとしても使えます。「恐れ入りますが、○○していただいてもよろしいですか」と言うように、クッション言葉としてお客様に何かを頼む時にも使えるため、覚えておくと便利です。

●ありがとうございます

お客様への感謝を表します。お客様が帰る時はお辞儀して、「ありがとうございました」と言うのが基本です。また、日常会話で「すみません」と言ってしまいがちなシーンで、「ありがとうございます」と言えると印象が良くなります。

2.飲食店の接客で覚えておきたい敬語の種類

飲食店も含めて、接客サービスを行う時には、お客様に対して敬語を使うことが必須です。敬語を正しく使うことで、お客様に敬意が伝わり、失礼のない接客につながります。

敬語を正しく使うためには、敬語の種類について理解することが欠かせません。ここでは、接客業で使われる敬語の種類を3つ紹介します。ビジネスシーンや社交の場などでも役に立つ内容ですので、ぜひ参考にしてください。

●尊敬語

尊敬語は、動作する人を高めて尊敬の気持ちを表す言葉です。飲食店ではお客様を高めるために使います。したがって主語はお客様です。

例:「おっしゃる」「いらっしゃる」「召し上がる」

●謙譲語

謙譲語は自分や身内をへりくだらせて、相手を高めて敬意を表す言葉です。飲食店では自分や他の従業員の動作をへりくだらせて、お客様を立てます。たとえ主語が店長など自分の上司でも、同じ店の人間の場合は、お客様を立てるために謙譲語を使いましょう。お客様が主語の時に謙譲語を使うと失礼に当たるため、注意が必要です。

例:「申し上げる」「伺う」「いただく」

●丁寧語

丁寧語は「です」や「ます」をつけたり、「お料理」「ご予約」など名詞に「お」や「ご」をつけたりすることで言い回しを丁寧にし、敬意を表します。丁寧語は、従業員同士など誰にでも使える敬語です。

例:「言います」「来ます」「食べます」

3.飲食店の接客で覚えておきたい電話対応の基本ポイント4つ

飲食店の接客時には、電話対応が必要になる場面も多いです。ここでは、飲食店での電話対応を行う時の基本的なポイントを4つ紹介します。

●3コール以内に出る

飲食店の電話は、お客様を待たせないように3コール以内で出るようにします。他の業務で忙しく、3コール以上お客様を待たせてしまった時には、「お待たせいたしました」と最初に言うのを忘れないようにしましょう。

●ハキハキと話す

相手が聞き取りやすいように、電話ではいつも以上にハキハキと話すことが重要です。電話は表情が見えないため、声が暗いと相手に与える印象も暗いものになってしまいます。明るい声で聞き取りやすく話すのがポイントです。

●しっかりと名前を名乗る

接客時の電話対応では、店の名前だけでなく、しっかりと自分の名前も名乗って責任の所在を明らかにしましょう。「お電話ありがとうございます。○○(店名)の□□(名前)でございます」と言って電話に出ます。自分の名前は少しゆっくり話すと、相手に聞き取りやすくなります。

●メモと復唱を忘れない

飲食店にかかってくる電話は、予約の電話が多いです。予約の日時や人数を間違わないように、しっかりメモを取り、何かあった時のためにお客様の連絡先も聞いておきます。具体的には以下の内容をメモするとよいでしょう。

  • ・お客様の名前
  • ・お客様の電話番号
  • ・予約の日時
  • ・予約の人数

電話の最後には、メモした内容を復唱してお客様に確認を取り、間違いがないようにしましょう。

4.飲食店の接客で注意したい間違った言葉遣い5例

飲食店で接客する時に、間違った言葉遣いを知らず知らずのうちに使ってしまうことがあります。間違った言葉遣いを使用すると、場合によってはお客様が不快感や違和感を持つ恐れがあります。

ここでは、飲食店で間違って使われやすい言葉遣い5つと、それぞれの正しい言い方を解説します。

●~になります

「なる」と言う動詞は、Aが別のBに変化する時に使う言葉です。「廊下の突き当たりがお手洗いになります」と言うように、変化しないものに対して「なる」を使うのは適切ではありません。「廊下の突き当たりがお手洗いでございます」と言い表すのがスマートです。

●どちらにいたしますか?

メニューなどをどちらにするか決めるのはお客様であるため、謙譲語の「いたす」を使うのは誤用です。尊敬語の「なさる」に変えて、「どちらになさいますか?」と言うのが良いでしょう。

●〜でよろしかったでしょうか?

お客様がこれで良いか確認しているのは現在であるため、「よろしかった」と過去形にする必要はありません。現在形で「〜でよろしいでしょうか?」とするのが適切です。

●~円からお預かりします

会計時に「〜から」と言う表現を使いがちですが、「〜から」は本来「〜から〜まで」と言うように距離や幅を表す時に使われます。そのため「1,000円からお預かりします」は誤りです。「1,000円、お預かりします」と言うようにしましょう。

●~ほう

「ほう」は方角を指す時や、選択肢がある場合に使われる表現です。目上の人に用いる「方(かた)」と混同され、「おタバコのほう、お吸いになりますか?」など比較対象がないものにも間違って使われています。シンプルに「タバコはお吸いになりますか?」で十分です。

まとめ

飲食店の接客では、覚えておきたい言葉遣いの型があります。型は一度覚えると今後も役に立つため、接客時にすぐ出てくるようにしましょう。

また、接客する時に使う敬語には3種類あり、その中でも、お客様の動作を高める「尊敬語」と、自分をへりくだらせて相手を高める「謙譲語」の使い分けが重要です。電話対応では、すばやく3コール以内に出るのはもちろんですが、普段以上にハキハキと話すように心がけましょう。ミスのないようにメモを取り、復唱して確認することも忘れないようにします。

店長の方は、ぜひ当記事で紹介したことを、マニュアル作成や従業員教育の際の参考にしていただき、従業員の接客スキル向上に役立ててください。

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