アイテムの知識

公開日:2022.05.10  最終更新日:2024.09.19

食品工場での正しい服装のポイントとは|作業着を選ぶ際の注意点も

食品工場勤務の際は、衛生管理上、作業員の服装が重要視されます。食中毒や異物の混入を効果的に防ぐために、どのような作業着を準備し、作業員にどのように着用してもらえばよいのか頭を悩ませる方も少なくないでしょう。

この記事では、食品工場での作業服について、各アイテムの着用方法や食品生産に適したデザインを解説します。HACCP導入による影響についても触れるため、工場で衛生管理を徹底し、HACCPに対応する際の参考にしてください。

1.食品工場における服装は衛生管理が最優先

食品工場では、作業員の服装についても衛生面を最優先に考えなければなりません。衛生管理を怠ると食中毒や異物混入につながるため、服装に対して作業員全員が細心の注意を払うことが必要です。

食品工場の作業員は目だけが見えている状態が理想とされており、できる限り肌の露出を減らすことが重視されます。ここでは、食品工場内での服装と着用時のポイントを説明します。

1-1.帽子

食品工場におすすめの衛生帽子

作業服一式は、体毛の落下・混入を防ぐように着用するのが必須です。特に帽子は、体毛の中で量も多く落下しやすい頭髪を覆う役割があるため、体毛の混入を防ぐには正しくかぶることが大切です。帽子には大きく分けて、体毛の混入防止に特化したフードタイプと、着脱しやすい帽子タイプがあります。

帽子をかぶる際は、髪が帽子の外にはみ出さないようにすることがもっとも大切です。帽子をかぶる前に、髪が長い場合は髪をまとめる、ヘアネットを着用するなどの工夫をする配慮が必要です。フードタイプの場合はあごの下でしっかり留め具を留め、ケープつきのタイプは上着の内側にケープを入れて着用します。着用後は、髪がはみ出していないかを鏡でしっかり確認しましょう。

衛生帽子の一覧はこちら

1-2.マスク

マスクは、唾・鼻水・鼻毛の混入や、鼻や口を手で触ることを防ぐことで、異物や雑菌が食品に付着するのを防ぐ役割を果たします。マスクと顔に隙間があると効果が落ちるため、隙間なく着用するのがポイントです。

マスクは必ず鼻に密着させて、鼻からあごの下までをしっかり覆うように着用します。また、マスクのひもを耳に掛けると帽子との間に隙間ができるため、帽子の側面にマスク掛けがついている場合は、必ずマスク掛けを使用しましょう。

こちらでは、飲食店ユニフォームの通販サイト「ユニコレ」でお取り扱いしているマスクを一覧表にまとめました。
サイズや価格、仕様の違いを簡単に比較できるので、マスク選びの際にはぜひ参考にしてください。

また、マスク着用時に耳が痛いとお悩みの方は、こちらの記事も併せてご覧ください。

1-3.作業着

食品工場用白衣

作業着は、作業員の服装でもっとも大きな面積を覆います。体毛の落下対策として、隙間ができないように着用しましょう。

上着を着用する前に、体毛落下防止ネットなどのインナーを着用します。その際、インナーをズボンの中に入れると、体毛が作業着の外に落下するのを防止できます。首の部分に隙間ができないように、上着のファスナーは上までしっかり閉めましょう。また、隙間ができないように、上着はサイズの合ったものを着用することも大切です。

着用後は、作業着を着たまま作業エリア外に出ないようにしましょう。作業エリア外では、服に異物や菌が付着する恐れがあります。特に、トイレではウイルスが付着する可能性が高いため、短時間のトイレ休憩などでも作業着を脱ぐようルールを徹底しましょう。

1-4.作業靴

作業靴は直接床に触れる上、床から跳ね返った水が付着しやすく、作業員が身につけるものの中でもっとも汚染されやすくなっています。雑菌の繁殖を防ぐためにも、作業靴は日々洗浄し、清潔に保つことが大切です。

作業後には、必ず靴全体を洗浄しましょう。特に靴底には食品残渣がつまりやすく、食品残渣を徹底的に取り除く必要があります。洗浄作業が負担にならないように、靴底洗浄用のブラシや靴洗浄機を導入する、食品残渣がつまりにくい靴を使うなどの工夫をするとよいでしょう。洗浄後は、しっかり乾燥させて雑菌の繁殖を防ぐことが大切です。

2.食品工場に適した服装を選ぶ際のポイント3つ

食品工場内での服装を選ぶ際には、作業中の異物混入リスクを下げることが重要です。衛生管理においては他の要素も重視すべきですが、異物混入は他の問題を引き起こすケースがあるため、特に意識しなければなりません。

また、衛生管理面に加えて、服装選びにはいくつかのポイントがあります。食品工場内での服装は、次のポイントを押さえて選びましょう。

2-1.異物混入につながるパーツは避ける

異物の混入を防ぐためには、原因となるパーツがついている服を避けるのが効果的です。異物混入につながるパーツには、ボタン・ポケット・ベルトが挙げられます。

ボタンは洗濯などで破損しやすく、破片が食品の中に入ってしまう恐れがあります。そのため、食品工場では、留め具にはボタンよりも、ファスナーを採用した服装が好ましいでしょう。

また、作業服にポケットがついていると、ポケットに入れていたものが食品に混入したり、ゴミやほこりがたまったりすることがあります。ポケット内のものが異物として混入する可能性を無くすためには、初めからポケットがない服を選ぶのがおすすめです。腰回りについても、ベルトではなくウエストゴム入りズボンのほうが清潔です。

2-2.静電気が起きにくい素材を選ぶ

静電気が起きるとほこりや髪などの体毛が作業着に付着し、異物を作業エリアに持ち込むことにつながります。異物の持ち込みを防ぐためには、作業エリアへの入室前にエアシャワーなどで異物を吹き飛ばすことに加え、静電気が起きにくい素材を用いた作業着を選びましょう。

静電気は素材同士がこすれあう際に帯電することで起こりますが、帯電のしやすさは素材によって異なります。綿や麻は帯電しにくく、静電気の発生を防止できるためおすすめです。反対に、アンゴラなどは帯電しやすくなっており、食品工場の作業着には向いていません。

帯電のしやすさは素材単体の性質だけではなく、一緒に使う素材同士の組み合わせも影響します。たとえばポリエステルは、ナイロンなどと組み合わせると静電気が起きやすくなりますが、帯電しにくい綿などと併せて使うと静電気が起きにくくなります。

静電気が起きにくい食品工場用のユニフォームはこちら

2-3.機能性・快適さも重視する

作業着を選ぶにあたって、衛生管理を重視するのは当然ですが、着用する作業員にとって仕事がしやすく機能的か、快適かという観点も重視しましょう。機能性や快適さを無視すると、熱中症を引き起こすなど作業員の健康を損なう上に、作業員が就業環境に不満を感じる恐れがあります。結果として、作業員が衛生管理に協力してくれない、離職するなどの事態を招くこともあります。

作業着の着用中は蒸れて汗をかきやすいため、蒸れや汗による不快感を軽減してくれる「通気性・吸汗速乾性」に優れた作業着がおすすめです。また、汗をかくと服が透けるのも気になります。透けにくい生地を採用することで、従業員がより作業に集中しやすくなるでしょう。透け防止のためにインナーを着用する場合、保冷剤を入れられるタイプを採用すると、涼しく快適に作業できます。

通気性・吸汗速乾性に優れた食品工場用のユニフォーム一覧はこちら

工場用白衣の一覧はこちら

3.HACCP導入により重視される食品工場における正しい服装

HACCPとは、食品の調理工程を管理することによって衛生管理を行う手法です。HACCPは衛生管理のスタンダードな手法として多くの国で採用されています。日本国内でも2021年からは飲食店・食品工場などを含むすべての食品事業者でHACCPの導入が完全義務化されました。

従来的な衛生管理においては、一部の商品に対する抜き取り検査によって部分的な管理をしてきました。一方、現在はHACCP導入により、危害要因の分析やCCPの設定に加え、食品工場の製造過程を連続的に監視・記録することによって管理を行うよう求められています。

HACCP導入で製造過程が重視されるようになったため、食品工場では服装をはじめとした身だしなみの管理がさらに重要視されるようになりました。「ユニフォームコレクション」では、HACCPに対応した制服・作業着を数多く用意しております。HACCPだけではなく、動きやすさや予算なども考慮に入れたコーディネートのご提案も行っているため、作業着のご購入をお考えの際は、お気軽にご相談ください。

HACCP(ハサップ)対応商品

まとめ

食品工場の衛生管理は、異物混入防止が基本です。工場内での作業に従事する際には、体毛などの異物を落下させないように意識し、作業着一式を正しく着用する必要があります。また、衛生管理は全員で一丸となって取り組むことで十分な効果を発揮します。快適で作業に集中しやすい服を選ぶと、衛生管理への取り組みの向上につながるでしょう。

2021年以降はHACCPの導入が義務化され、衛生管理では、製造工程の連続的な管理が重視されるようになりました。HACCP導入によって、作業員の服装の重要性はさらに増しています。食品工場の作業服には、HACCP対応のものを選びましょう。

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